結局、
コダック潰れちゃいましたね。ということは、再建できたとしてももうフィルム事業は完全終了になるでしょうか。
どこのニュースを見ても、原因として「デジタル化への対応の遅れ」「時代の波に乗り遅れた」等々のありきたりな理由で報じていますが、本当にそうなんでしょうか?
コダックと言えば真っ先にデジカメに取り組んだ企業の一つであって(当初は軍事需要、その後ビル・クリンントン時代に民間に開放されたんじゃなかったっけな?)、さらにはニコンやキャノンと組んだり(結果的に技術供与になったんでは?)、確かCCDだとかベイヤー配列だとかフォトダイオードだとかetc.とにかくデジカメ関連の特許を沢山持っていたはずで、ともかく技術の最先端を突っ走っていた、という見方もできましょう。決して「対応の遅れ」や「乗り遅れ」ではないことは確かだったと思います。
その当のコダックがずっこけちゃったのは、なんだかまるでドンキホーテの物語りを思い出させます。
さて、今や
化粧品会社と化した(笑)フジフィルムの躍進とコダックの凋落を比較した、かなり的確な記事を見つけましたので、特に写真で飯食ってらっしゃる方は必ず目を通しといてくださいね。
瀕死のコダックと飛躍する富士フイルム一番の違いは、写真文化・文明の王道ど真ん中を突っ走ろうと進んだ先に待っていたのが(超?)低収益の世界だったコダックと、その王道である写真関連事業を細々とでも守るために逆に王道=基幹事業をいくらか切り捨てでも技術転用が可能かつ高収益分野への多角化を進めたフジフィルム、実に好対照といったところでしょうかね。需要と収益は必ずしもリンクしない、ということなんでしょう。
大型センサー分野ではコダックは定番化したもののフジは技術的にもビジネス的にもズッコケてさっさと撤退し、コンデジ〜携帯に注力しましたからね、フジは王道中の王道(高品位が求められるプロ向け分野)を切り捨てたといっていいんじゃないでしょうか?結果それが良かったワケですが。
そうなってくると、あたかも戦闘機による奇襲戦術を開拓しておきながら連合艦隊に拘って結局撃沈した旧帝国軍のような野暮ったいコダックの有り様は、う〜ん、まあしょうがねえっちゃしょうがねえんだけど・・・的な、アメリカの企業経営の事例としてはとても珍しいように思えます。JBの記事にあるように日本人の十八番ですもんね。
しかし、この長く続いた王道に拘ろうとすると先が無くなってしまう現象は、例えば日本発色の廃業がそうであったし、リーマンショック後に多くの写真家さん方が大騒ぎしていた出版社の大ダンピング要請の背後にある出版事業の経営環境における大きな変化、こういったこともコダックと同様の行き詰まりであると言えましょう。ようするに儲からないから(従業員の給金どころか雇用すら賄えないレベル)、大津波が襲って来ても呆然と見てるだけになってしまう、というのが実情なんでしょう。
どんな分野でもデジタル化は非常に効率的なのですが、その代わりとしてアナログ時代の主要プレーヤーが切り捨てられる性質がある(20年以内には自動車産業がそうなるでしょう。予言しておきます)ことや、物理的パーツ点数・行程が減ることで人工 が大幅に削減可能→雇用の減少/失業の増加および格差の2極化が急激に進むなど、
天下国家・政治的経済政策的な意味ではデメリットが大きい技術であると
断言します。アナログ技術が経済成長の源泉であったとすればデジタル技術は経済収縮の源泉になるでしょう。
ついでなので一つ公表しておきますと、弊社では3Dスタッフ(それもかなりの経験者)を2人抱えて、現在は自動車とコピー機の分野で実稼働を始めています。つまり幾ばくかの撮影の仕事が消滅しております。
まあ当ブログは、直近の好景気のピークであった2007年夏に番組を変更して景気後退の警鐘を鳴らしていた、数少ない珍しいブログであります。その当ブログで撮影業務の消滅を明記したということは、既に本格的に既成事実化している、ということであります。広告分野でメーカー直系の物撮りが主力業務の方々におかれましては、十分ご注意いただきたいところです(みなさん十二分に注意を払ってらっしゃるのは良く知ってますが。ただ理由を取り違えている人が多い)。
PS.
とはいえ3Dが物撮りに取って代わってから大分立っている分、その結果の検証を通じて、企業メッセージとして実写(つまり商品そのもの)で消費者へ伝えることの方が、究極のイラストレーションである3Dで商品情報を発信するよりも"伝わる"んじゃないか?という議論がトヨタさんなんかにはあるようです。あるんですが、その他の企業さんは、全てトヨタさんから1〜2周は周回遅れですから、これから2010年代はまた変化が起きますよ、ということです。
More 記事本文